[地震世相川柳]

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メタデータ / Metadata
資料番号
I-04-027

サブコレクション
石本コレクションI

内容分類
災害

資料分類
錦絵

年月日
安政2年10月2日

印刷分類
木版(多色)

縦×横(cm)
34.5×24

資料解説
ここに掲げた絵では裁断されてしまっているが、本来は、絵の上部枠外に、右から左へ「見立ちう身ぐら」の文字が横書きされている。絵の画面が十八に区切られていて、一つ一つに絵と短い文が記されている。短い文は、歌舞伎狂言の『仮名手本忠臣蔵』からのせりふなどの引用になっている。忠臣蔵では、全く異なる状況で使われているせりふを、そのまま地震の際の人々の立派な行動や身勝手な振る舞い、あるいは心情などに見立てている。忠臣蔵の各場面のせりふや状況がわかっているからこそ、面白く読める摺り物である。例えば、上段左から三つ目の「天川や義平はおとこでごんす」は、忠臣蔵十段目の「天川屋の義平は男でござるぞ」の見立で、本来は、子どもを人質に取られながらも義士たちの武具を隠す荷物の秘密をしゃべらない、男気のある商人、義平のせりふである。これが、地震で庶民が困る中、施しを求められて悩む金持ちの心情に見立てられている。また、下段右端の「釣とふろうのあかりをてらしよむながふミは」は、忠臣蔵七段目からの引用になっている。遊興に明け暮れる大星由良之助(大石内蔵助)が敵の動向を知らせる手紙を読んでいると、二階と縁の下から盗み読まれる場面があるが、地震後に読む長い手紙は火災について記した絵図である、としている。【湯浅淑子】