資料の解説

■「博物之友」について

明治33(1900)年、東京府第一中学校(翌年、東京府立第一中学校に改称)に在学していた市河三喜(1886-1970, 英文学者・東京帝国大学名誉教授)は、学友たちと日本博物学会をつくり、手書きの回覧雑誌『博物之友』(全8号)を発行しました。

  • 創刊第1巻第1号は、明治33(1900)年5月25日に発行されました。終巻第2巻第8号は、ちょうど一年後の明治34(1901)年5月25日に発行されています。
  • 発行は日本博物学会文芸部とあり、編者として「市河三喜」と「村松操」(東条操1884-1966, 言語学者)の名前が記されています。
  • 昆虫や鉱物の分類、昆虫等の採取紀行のレポートなどのほか、「質問応答」という”Q&Aコーナー”のような記事もあります。また第2巻第6号は臨時特別号「韶光」として発行されており、市河三喜先生ほか3名の「所蔵昆虫目録」が掲載されています。
  • 市河三喜先生の著書『私の博物誌』(中央公論社, 1956)によると、「回覧雑誌は8号で打ち切り、6月から印刷に附して会員に配布することとなり、會名も「日本博物学同志会」と改めた。」とあります。なお同書によると、日本博物学同志会による『博物之友』は、その後第11巻第82号(明治44(1911)年5月)をもって終巻したこと、また日本博物学同志会の支会として明治38(1905)年に日本山岳会が設立されたことも書かれています。

■公開記事について

  • 市河三喜先生、村松(東条)操先生のほか、多くの青年達が記事を執筆していますが、今回は著作権継承者からデジタル公開の許諾が得られた記事、著作権保護の対象ではない記事のみを公開しています。一部の記事は非公開としていますので、ご了承ください。
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■関連情報

東京大学柏図書館に『博物之友』が寄贈されたことを記念し、柏図書館内で展示会が開催されています(複製による展示です)。

第17回柏図書館企画展示「中学生、学会をつくる」


■「博物之友」及び展示会に関する問い合わせ先

 東京大学柏図書館 情報サービス係
 kashiwaj@lib.u-tokyo.ac.jp